死ぬ瞬間まで推してたい

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オタク女がオタク女について考えるブログ

それでもどこかで生きている -舞台「火花 - Ghost of the Novelist-」を観劇した

21:25 切れてた文章あったので追記しました><

 

火花、見てきました。

 

f:id:netetai:20180413191331j:image

 

ずっとずっと書きたかったけどどのタイミングで公開すればいいかわからず、とりあえず観劇後の熱が残るまま書きなぐり、東京最後の土日公演が始まる前に投稿することにしました。

 

※大いにネタバレが含まれます。観劇予定のある方は終わった後に見てください。

※見に行こうか悩んでいてネタバレを気にしない方は見てもらえれば。

 

 

 

 

 

 

公演情報

公演名 :火花 - Ghost of the Novelist-

会場  :紀伊國屋ホール(東京)

公演期間:2018年3月30日~4月15日(東京)

キャスト:植田圭輔石田明好井まさお宮下雄也観月ありさ又吉直樹、他

 

原作  :「火花」又吉直樹

火花 -Ghost of the Novelist-

 

休憩なし、上演時間2時間。

チケット代8,000円(当日券) 

 

雑感

 

原作は読んだことがない。話の内容も知らない。ドラマも見てない。映画も見てない。見た人の話も聞いてない。というわけでまっさらな状態でした。

 

半年ぶりくらいの紀伊國屋ホール。エレベーターの混雑や狭いロビーを除けば味のある良い劇場。クッションも借りられるし。

(でも紀伊國屋ホールのある4階まではエスカレーターがあることをこの公演で知った…)

 

当日券で入ったので後方の隅の座席でした。

でも紀伊國屋ホール(サザンシアター含め)の良いところは、どの座席に座っても舞台に向かったとき正面に前列の人の頭が被らないところ(たぶん)。今回もよく見える席で安心した。

 

2.5次元舞台以外に久々に行ったので、物販がパンフしかないことに今更驚いた。まあ当たり前か。

ちなみに紀伊國屋ホール入り口のすぐ脇では、上演記念としてフェアも開催しています。

【新宿本店】舞台「火花 -Ghost of the Novelist-」上演記念(@紀伊國屋ホール)『火花』から広がる読書フェア(2018年3月15日~4月20日) | 本の「今」がわかる 紀伊國屋書店

見終わった後、思わず原作「火花」を手に取りたくなったので(後述)、とてもいいフェアだと思いました。ソワレ後でもまだ紀伊國屋書店が開いているのがいいですね。

 

平日の公演で、自分自身も当日券で入れたこともあり、やや空席ぎみ。と思ったら開演2分前くらいにダダダッとたくさんの人が入場してきた。ほとんどが男性。そして半分以上知ってる顔だった。

そう、吉本の芸人さんたち。知らない顔の人たちも芸人さんか、関係者なんだろう。後方席に散り散りになっていったけども、離れた席の人たちに挨拶に行ったり、通路で歓談したり。私の両隣にも好きな芸人さんがそれぞれ座った。

案の定開演は3~5分ほど遅れた。

 

 

※以降ネタバレが増えます

※個人的な感想です。

 

公演に対する感想

 

「お、おう…!」って感じです。

 

いつも見ているのが2.5次元舞台とかばっかだから文化の違いだよって言われたらそれまでなんですけど。これが「小説の舞台化作品」という一般的な文化であればもう二度と「小説の舞台化作品」は見ないですね。これ舞台化じゃないもん。

色んな方がおっしゃる「役者は最高だった」の意味がよくわかりました。構成・脚本・演出がどうしようもなかった。でもやっぱり役者は最高だったから、「つまらなかった」とは言いたくない。

 

 

原作者役の又吉直樹さん、観月ありさ役の観月ありささんの本人役2人の掛け合いから「火花」の物語が始まる。小説の印象的なフレーズを引用しながらやっと「演劇」がはじまり、引き込まれていく。

 

徳永を演じる植田圭輔さん、…いや、植ちゃんと呼ばせてください。植ちゃんがいつも演じている2.5次元のキャラクターとはまた違う、でも「植田圭輔」ともまた違うなんとも野暮ったいかんじの徳永。相方の山下と繰り広げるけだるそうなウケない漫才と、それをかき消す雑踏と花火の音。

 

そして現れるNONSTYLE石田さん演じる神谷。華やかな見た目ではないけどパッと目を奪うような風貌。テレビで見ていた石田さんのイメージはどちらかというと温和で常識人。それが神谷の威圧するような喋り方、でもチンピラっぽくないところをぴったりに表現されていて、さすが、と思いました。

 

徳永は神谷に弟子入りを懇願し、初めて先輩と酒を飲む。そして同じく初めて後輩と酒を飲んだ神谷…と物語は進んでいく。

 

植ちゃんの演じる徳永はどちらかというと暗く、人づきあいはあんまり得意じゃない。でも物語が進むにつれ、成功するにつれてどんどん感情の振れ幅が大きくなっていく。

憧れていた神谷を怒鳴りつけるシーン。そしてスパークスの解散ライブ。ぐちゃぐちゃになって大声を出し続ける植ちゃんに、何度話をぶつ切りされようと(後述します)、何度も何度も引き込まれた。

毎公演あれをやっていると思うと、すごい。8000円じゃ足りない。

 

 

が、その後もやっぱり何度も何度もいいところで「本人役2人」が入ってくる。

 

私が舞台の好きなところのひとつは、目の前のものに夢中になれるのに、自分はその世界にいないという不思議な体験ができること。目の前で実物が、立体で、本当に動いているのに、目の前の出来事は現実じゃない。

でも今回の冒頭部分、そしてその後も間に挟まってきますが、「実際の作者が、観客に語り掛けるように小説の説明を始める」という行為がなんとも許容できなかった。

原作者役(あくまで役)の又吉さんが何度も「…って台本に書いてあるんです」と繰り返していたように、原作者役を演じていて全てが本意ではない、ということなんだけれども。

そこに現れる観月ありさ役の観月ありささん。(この世のものとは思えない姿かたちをしていた…本当に同じ人間なのか?)これまた「観月ありさ役」なので本当にパンが好きなのか小説家になりたかったのかはわからないけれども。

 

途中なんども「読者」である観月ありさがあまりにも身勝手なことを言い「原作者」の又吉直樹を困らせる。

いやそれいらんから。徳永と神谷の物語を見せてくれよ。と何度思ったことか。

この身勝手な内容がそもそも理解できないので、笑うこともできなかった。

 

そしてその掛け合いの途中ちょっとウトウトした。観劇で寝たことないけどまじでこのくだりはつまらなかったし演劇への集中力を削いでた。

 

なんとなく救われたのは冒頭で「観月ありさ」が「又吉直樹」に「火花は私がゴーストライターとして書いたものにしてほしい。そしてその謝罪文を直筆で公開してほしい」とお願いするときに、「観月ありさ」が作った謝罪文の内容。

観月ありさは馬鹿な女の役を演じることもあり仕事に支障をきたすため又吉直樹ゴーストライターをしていた」という旨のことを発表させようとしていたのが、ああ、今回のこの「観月ありさ」は、観月ありささんが「観月ありさという馬鹿な女」を演じているんだな、としっかり認識できたこと。

うーん真樹を演じる観月さんが本当に美しく強く気高く優しかったので、そっちに集中したかったなあ。

 

 

そして何度も言うけど、2組のお笑いコンビを演じた4名は素晴らしかった。

 

石田さんはかなりアドリブを入れているようなんですが、台本通りなのかな?と思えるほどナチュラルで、そして相方の宮下くん、後輩の植ちゃんも、困りながらもしっかり返していた。から、どこがアドリブなのか全然わからなかった。

いつも見ている舞台作品は「あぁここがアドリブパートなんだな」というのがわかる。下手とかではなく、入る前に少し肩の力が入るような微かな感覚。

それが一切なく、やはりお笑い芸人ってエンターテインメントのプロフェッショナル集団だなと再認識した。そして繰り返すけれどもそこに対応していく2人の舞台俳優の能力の高さ。すごかった。

 

あとまあ当たり前なんだけれども、デビューしたての俳優にありがちな「滑舌が悪い」「声が通らない」「何言ってるかわからない」という不満が一切ない舞台ってこんなにストレスフリーなんだ、と思った。

特に好井さんは声の通りがよく、私は関東生まれで関西弁にあまりなじみがないのでたまに関西弁で何言ってるか聞き取れないことがあるんだけど、好井さんはとてもなめらかだった…!

 

 

火花がヒットした理由はとてもよくわかった。話はとても面白かった。芸人の誰かが言っていた「芸人は読まない方がいい」という意味も。

 

個人的つらかったのは、スパークスが売れていく一方、久々に再会したとき徳永と同じ銀髪になっていた神谷のシーン。スパークスが映るテレビを見ながら何も言わない神谷とそれに苛立つ徳永。「憧れを超えてしまった」瞬間で「憧れを軽蔑してしまった」瞬間。

 

胸をえぐるような、気持ちの良くない内容、結末。誰もが感じたことのある「何かになろうとしたけどなれなかった」という挫折のような当然のような現実。

でもその中にある青春や少しの成功や恋や…誰にでもある経験に対して、原作者の「何かになれなくても、それでもどこかで生き続けている」というメッセージが一番効いていて、全てを肯定していて、唯一この演出を選んだ意味のあるシーンだった。

 

期待していた内容とは違っていたけど、この公演後、小説「火花」を読みたいと思った。前述のメッセージを受け入れて、もっと徳永と神谷のストーリーを知りたい。

 

でもやっぱり公演時間の2時間10分、全て「火花」を見れていたらもっと幸せだった。叶わないけど。

 

 

 

以下細かい感想です。

 

徳永を植田圭輔が演じる意味

考察とかじゃなくて、ものすごく個人的な感想。

 

この公演が発表されたとき、制作だったり主催だったりが、いわゆる2.5から離れたところにいて、しかも世間一般がよく知る出演者と芥川賞受賞作品というビッグタイトル…に、植田圭輔!!ととても驚きそして喜んだことを覚えている。

 

植ちゃんをずっと応援してきた。人気原作の舞台が決まるたびに応援していたし(なんども足を運んだし)、声優デビュー、CDデビュー、どんどん駆け上がる彼にこの公演の話が決まったのも不思議じゃなかった。

アフタートークで好井さんから、「2.5を代表する男!」のようなことを言われていたし、共演者からもそう認識されてると思うと嬉しかった。

思えば植ちゃんを最後に見たの、2016年9月だ。もう1年半も経っていた。どんどん上にいくのも彼のことだから当たり前か。

 

 

舞台火花のメインキャスト4人は全員大阪の出身。関西弁ネイティブです。

スパークスとあほんだらはどちらも関西出身のお笑い芸人だし、映画版の4人も関西出身、ドラマ版は大林(とろサーモン村田さん)だけ宮崎だけれども他3人は関西出身。

ということもあって、大阪出身の植ちゃんが選ばれたのも納得。

 

余談ですけど、林遣都(ドラマ版徳永。滋賀出身)、菅田将暉(映画版徳永。大阪出身)、そこに並ぶ植田圭輔だぞ!!と公演が決まったときに友人親族会社の人、いろんなところで叫びまくっていたことをここに告白します。それほど嬉しかったんだよ〜

 

 

ここまで書いた通り、植ちゃんが今をときめく舞台俳優であることや、関西弁ネイティブということも徳永を演じるための立派な要素なんだけれども、私が一番うれしかったことは火花が「吉祥寺」そして「井の頭公園」という土地をメインの舞台にしていること。

 

植ちゃんは上京したての頃、吉祥寺・井の頭公園の近くに住んでいた。

(最初の個人DVD「Holiday」にてその様子が収録されています)(もう8年も前のDVDで絶版してるけど…)

 

一人暮らしをしているアパートの様子(寝起きドッキリをされる)や、井の頭公園に行ってボートに乗ったり得意のリフティングを披露したり…そして吉祥寺のスーパーで食材を買って料理をしたり。

10代の彼が一人東京に出てきて、バイトをしながらも俳優で食っていくために奮闘していた場所が、徳永と神谷がよく飲んでいた吉祥寺、人間観察をしていた井の頭公園とシンクロして、グッときた。

 

植ちゃんはきっと徳永と同じように、上京したばかりのころ過ごした吉祥寺を飛び出して、より良い土地に住んでいるだろう。

彼がDVDの中で買い物をしてサインを書いたあのスーパーはもうなくなってしまって、コンビニになった。

三鷹のファミレスでバイトしていた彼も、高円寺のコンビニでバイトしていた彼も、バイトをやめて生きたい道で生きることができた。

妙にシンクロして、胸が熱くなる。

 

ストーリーとは少し離れたところになってしまったけれども(そして誰も意図していないことだったとしても)、個人的には植ちゃんが演じる徳永にそれ以上の意味を感じてしまった。本当に見れてよかったと思う。

 

 

また余談ですけど上京してから標準語を一生懸命習得した彼はしばらく標準語で話していて(大阪の人だって最初知らなかった)、最近になって関西弁をしゃべるようになったけれど、終始強めの関西弁を話す植ちゃんを見れたのはうれしかったな。

 

 

タイトルが「火花 - Ghost of the Novelist-」である意味

元々原作を知らないので何も調べずに行ったんですが、下記の通りあらすじに記載されていました。

ステージに立ち、語り始めた「火花」の原作者又吉。そこに女優観月ありさが現れ又吉を抱き締める。
又吉を愛しているという観月はその愛と引き換えに「火花」を私に下さいと言う。
「作者」観月によって語られる火花の物語は小説の世界をなぞりつつ、歪めつつ、又吉の原作世界の核心をあぶり出してゆく。
スパークス徳永は祭りの営業で出会った神谷に心酔し、弟子入りを志願する。行動を共にする中で、神谷が転がり込んでいる家で一人の女性・真樹に出会う。
真樹は女優が演じている。自分こそが真樹であり、これは自分が見届けた一部始終なのだと女優はいう。
交流を深めるにつれ、徳永の神谷に対する憧れや嫉妬が渦巻いていく。好調だったスパークスも解散。
やがて破綻を迎える。
同時に破綻する観月の物語世界。
観月は又吉に問う「なぜこの小説を書いたのか?」 物語にはまだ続きがあった。
小説の世界と「作者」の世界は交錯し、同時にクライマックスを迎える。

あらすじ | 火花 -Ghost of the Novelist-より

 

ざっくりいうと、メタです。捉え方によっては違うかもしれないけど。

観月が小説「火花」を読みながら、 その内容が背景で立体化されている。そして一読者である観月が不満に思うこと・疑問に思うことを口にだし、それを原作者の又吉が諭すように回答する。

「背景で」という捉え方があっているのであれば、確かに主演は観月ありさなのかもしれない。

 

タイトルが「舞台 火花」でないことを不思議に思っていたけど、見て納得。これは小説「火花」の舞台化作品ではない。舞台「火花 - Ghost of the Novelist-」です。

小説「火花」を読み解くための、ひとつの手法。舞台化作品ではない。

それ事前に知ってたらなーまあ知ってても植ちゃんいたら見に行ってただろうなー

 

 

 

その他感じたこと

スパークスが売れ始めて生活に余裕ができて、山下は恵比寿で彼女と同棲し始めた。そして結婚することになって解散するシーン。

「双子やねん。祝ってや」(言い回し全然違うかも!!ごめんなさい)

山下は安定した収入が必要になり、お笑い芸人をやめる二人。

 

この後の解散ライブのシーンがすごく感動するわけですけれども、私がグッときたのは、山下と彼女が双子の赤ちゃんを授かったことを告げるこのシーンだった。

 

実際に原作でもそうなのかは知らないけど、山下演じる好井さん、そして神谷演じる石井さん、どちらも双子の赤ちゃんのパパである。

双子の赤ちゃんを授かる喜び、大変さ、そしてお金がかかること、全てひっくるめて重みがあったなあ~…

それでも二人はお笑い芸人を続けている。山下とは別の道を歩んでる。

これがまた深かった。意図してるかはわからんけど。

 

 

そしてその解散シーン。

「逆のことを言う」と言って、相方や芸人を続けてこれたことへの感謝を告げる徳永。

アフタートークにて好井さんに「植田くんのはごろもフーズが…」と例えられていた通りの植ちゃんの熱演。すすり泣く声が聞こえました。

 

はごろもフーズ…熱演のあまり唾が飛びそれが飛んだ先でパッと広がりはごろもフーズのCM(ミルククラウン)のように広がる様。

 

 

その他の感想として、クッション借りたけれども、途中からケツが痛すぎた…衰えかな…

 

 

ざっくり中身(メモ書き)

■登場人物

徳永 … 植田圭輔

「火花」の主人公。お笑いコンビ・スパークスのボケ(たぶん)。大阪から上京してきた。

性格は理屈っぽくて根暗、コミュニケーションが苦手。弟子入りした師匠・神谷を尊敬しているけれども全く逆の性格。

私はどうしても名前の表記順が気に入らなかった。主人公は徳永であり主演は植田圭輔だったように思う。まあ色んな事情があるんでしょうね。

 

神谷 … 石田明NONSTYLE

徳永が弟子入りする先輩芸人であほんだらのボケ。大阪の大手事務所に所属していたがのちに上京。

典型的な「どうしようもない人」。借金もあり女の家に転がり込むヒモ。お笑いに関しては天才型で、そしてお笑いのことを愛している。

キャラクター芸を嫌い、漫才で成り上がろうとする一方、自分の笑いを理解してくれる人がどんどんいなくなることに恐怖を感じ、焦り、変わっていく。

NONSTYLEの嫌われてない方・ネタを作ってる方・白い方の石田さん。本物の芸人さんが芸人さん役をやってます。石田さんは他にも俳優として舞台作品に出ているそう。本当に役者としても素晴らしい才能を持った方でした。

 

山下 … 好井まさお(井下好井)

徳永の相方。売れはじめたころ恵比寿で彼女と同棲し始め彼女の妊娠を機に結婚、コンビを解散。

ドラマ版でも好井さんは山下を演じているらしい。QooのCMのお父さんですね。ずっと俳優さんだと思ってました。吉本の芸人さんでした。

 

大林 … 宮下雄也

神谷の相方。尖った神谷にも、コミュニケーションが苦手な徳永にも優しく接するナイスガイ。

漫才シーンや石田さんのアドリブについていく姿から、もう漫才師感がすごい。何度も「本当にこれ雄也くんだよね!?」と思った。本当に漫才師として生きてた…

真樹の彼氏役(風俗に通ってた男)も雄也くん。初見の人は絶対関西弁の面白いピン芸人だと思ってそう。吉本所属だけど俳優さんです。(声優もやってる)(遊戯王だよ!)

2年ぶりに見たけど、なんか大きくなってた。でもやっぱり雄也くんの演技は好きだな。とてもナチュラルで安心感があるけどでも何かブチかましてくれそうなかんじ。変態役やらせたら世界一だよ。

 

 

 

■ざっくり内容

小説家になりたかった観月ありさは、芥川賞受賞作家の又吉直樹に「火花は私が書いたことにしてほしい。なんでもする」と持ち掛ける。

「なんでも」に又吉は少し揺れ、観月は本当に自分が書いたことにするために、作中のシーンの意図や疑問点を質問し、又吉がそれに答える形で話が進んでいく。

熱海での営業で出会った神谷に心酔し、弟子にしてくれと頼みこむ徳永。そうして共に過ごしていく中で憧れ、成功、挫折を経て、神谷は借金まみれのまま行方不明に、徳永はお笑い芸人を辞める形で破綻する。

 

そうして話が終わるかと思いきや、徳永と神谷が再会する。神谷は変わらず金に困っていたもののなぜか豊胸手術を済ませていた。神谷は言う、「おもろいやろ?これでテレビ出れるかな」。徳永は下ネタを嫌っていた、そして神谷を尊敬していた。キャラクターで勝負する芸人を侮蔑した神谷のことを尊敬していた。

その神谷がキャラクター芸に走ったことを徳永は激しく叱責する。神谷も理解してくれていると思っていた徳永に軽蔑され、激しく後悔する。

 

観月は「どうして最後のシーンを入れたのか」と問う。不必要じゃないか、と。

しかし又吉は「それでも生きてるんですよ」。神谷も徳永もお笑い芸人で成功することを夢見て、でも叶わなかった。何者にもなれなかった。でもそこで彼らの人生は終わりじゃない。どこかで生きている、続いている。

 

 

 

DVD化等、今後見れる機会は今のところないようなので、気になっているならぜひ!

 

そして植ちゃん植ちゃん連呼してすみません。これからも応援してます。

 

 

※観劇レポもこのブログに書いてくことにしました。詳しくはこちら

観劇レポについて - 死ぬ瞬間まで推してたい

 

 

2018/4/13 21:20

「その他感じたこと」で尻切れになっている文章がありましたので追記しました。